第2章:病気

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『ん-、気持ちいい。』 『そうだね。』 『久しぶりだな、庭に来たの。』 そう言って、少し先をかめは歩いて行った。 『かめはよく来るの??』 『うん。』 『そうなんだ。』 『実はね。』 そう言ってかめは花壇の方にしゃがんだ。 『僕、肺気腫っていう病気なんだ。だから、ずっと入退院を繰り返してるんだよね。』 『そっか。』 『で、気晴らしによく来てたんだ。』 『そっか。』 『仁は??』 『え??』 『どうして、ここに??』 俺が話そうとかめを見ると後ろからボウルが飛んできた。 誰かが危ないと声を掛けて、かめが避けようと素振りするには遅かった。 黙っていられずに、俺は急いでかめの側に走った。 これがいけなかったんだ。 『..っ...。』 『じん??』 かめは俺を見て、目を見開いた。 声を掛けたかったが、あまりの苦しさに声が出なかった。 『..っ..。』 『仁!?』 「仁くん!?」 看護師さんの声が聞こえ、かめが泣きそうな顔をしてるのを見た所で、俺の意識が途絶えた。 次に目が覚めた時は、ベッドの上にいた。 「仁くん、目覚めた??」 その問いに、俺は小さく頷いた。 「今は安定してるけど、今日は安静しててね。」 それだけ言って、看護師さんは出ていった。 看護師さんが立っていた所にはかめもいた。 俺は酸素マスクを外した。 『..か..め..。』 『じん。』 『..こっち..きて..。』 そう言って手招いた。 かめは今にも泣きそうな顔をしながら近くに来た。 『..どっか..痛くない..??』 『大丈夫だよ。』 『..よか..った..。』 『じん。』 ついにかめは泣き出してしまった。 『..泣か..ないで..。』 『ごめんね。』 『..へーき..。』 『僕が注意して見てたら...。』 『..か..め..。』 俺はかめの名を呼んだ。 『なに??』 『..屋上..行こ..??』 『屋上??』 『..今度..は..俺の..話..聞いて..??』 『わかった。』 『..約束..だから..ね..??』 『うん。』 『...ごめん..ね...。』 『ううん。』 『..少し..疲れた..から..寝る..ね..。』 俺がそう言うとかめは黙って外した酸素マスクを付けてくれた。 『仁。ゆっくり、休んで。』 俺は頷いた。 その後、すぐに眠りについた。
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