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それがカトレシアの第一印象だった。周りを山々に囲まれて何も無いからこそ、下らない領土争いにも巻き込まれたことがないのだろう、と思う。おまけに我ら人間を生み出した偉大なる天空の神を知らないだとか、そんなことを言っている。代わりにエルファというよく分からない神を信仰しているだとか。カトレシアのいた場所とは文化が違う。そういうことだろうか。別世界だ。と直感的にカトレシアは思う。
さて、カトレシアにとっては、そんなことはどうでもよいことだった。せっかく、このような珍しい場所に迷い込んだのだから、何か面白そうなことはないか。そんなことを考えていた。最も、こんな場所で何か功績を立ててもカトレシアには何の得にもならないのだが……しかし、そこは好奇心に溢れる彼のことだった。獲物を狩るのは後回しにし、まずはこの村の調査を開始したのである。都合よく、言語は通じていた。一応、かつては外界との繋がりはあったということだろう。今はもうその繋がりも廃れてしまっているとか。そんなところなのであろうか。生憎、カトレシアはその手の学者ではないのでよく分からないし、考える気にもならなかった。
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