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窓の外を眺めていると、 笠間さんもこちらに近づいてきた。 「でも珍しいね。クロがなかなか起きないなんて」 「え?あぁ…」 彼の言うとおり、 本来ならば俺が 笠間さんを叩き起こす方だから、 今日みたいなことはめったに無かった。 「んー、変な夢を見たからかな」 「…どんな夢?」 「いろんな人が誰かを呼んでる声が聞こえた。」 "珀" 幼い子供たちの声と "珀様" 大人たちの声 「ねぇ、笠間さん」 「何ー?」 この人に聞いたって わかるわけない。 期待なんてせずに、 ただ何となく聞いた。 「"珀"って、誰のことかわかる?」 「………っ!!」 瞬間、彼の表情は一変する。 何でその名前を知っているんだと そう言わんばかりの顔。 「か、笠間さん…?」 予想外の反応に、 こちらがたじろいでしまった。 .
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