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"紅様"とは 3年前 若干24歳にして国王に即位した 我が国「アリシャ」の主 そして、俺の命の恩人でもある。 10年前、 この国には争いが起きた。 後から聞いた話によれば、 俺はその争いに 巻き込まれてしまったらしくて。 瀕死の状態で道端に倒れてた。 その俺を偶然発見し、 助けてくれたのが紅様だった。 目が覚めると、 ベッドのそばには紅様がいて 俺が目覚めたのを、 とても喜んで下さった。 "…あなたは、誰…ですか?" それは、俺が最初に発した言葉。 残念ながら、 俺にはそれ以前の記憶は無い。 自分の名前も 両親のことも 友人のことも 目覚めた時には 何もかもわからなかった。 それは今も同じで。 何一つ思い出せないまま、 もう10年も過ぎてしまった。 .
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