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「それじゃお疲れー。」
帰りのホームルームが何事もなく終わって家路につく。
いつも一緒に帰る塩田君と二人で学校を出て、いつもと同じ道を通り、普段どおりの他愛ない話をしながら家に帰った。
いつもと何も変わらない、平凡な日常。
居間で洗濯物を畳んでいる母さんに、ただいまと声を掛けて階段を昇る。
下から母さんが僕に向かって、晩ご飯のリクエストを訊いてくるので、
「おいしいものー。」
とだけ答えて部屋に入る。鞄を置いて制服を脱ぎながら、今日は何しようかな?と考える。
ここでちょっと自己紹介をしたい。
僕の名前は佐藤涼太、高校二年、ごく普通の一般的な高校生だと思う。
学力普通、運動神経人並み、容姿平凡。それを示すように、通信簿は毎回オール三(五段階評価)だし、マラソン大会も丁度学年で真ん中。
そんな平凡な僕は、いつも通り平凡な日々を送りながら、今日は何しようかと考えていた。
「あーあ、なんか面白いこと無いかなー。」
誰でも一度は考えそうな、特別でも何でもない願望を口にしながら、ジーンズに脚を通そうとしたその時だった。
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