チャーリー・ルチアーノ一味

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「チャーリー、俺はついていくよ、どこまでも」 ランスキーがルチアーノにほほ笑みかけた。 「今ここにアルバートがいたら、きっとお前の手にキスの雨を降らせただろうな」 シーゲルも口の端を上げた。 「きっと上手くいく。そんな気がします」 コステロは優しい笑みを浮かべた。 「有り難う、皆。さて、いつまでもヴィトたちを待たせてはいけないな」 ルチアーノはさっと立ち上がると、用心しながら部屋から立ち去った。ランスキーがすぐ後に続き、シーゲルも間を持たずにルチアーノについていった。コステロは部屋に不審なものが無い事を確認したのち、照明を全て消してルチアーノの後を追った。  その部屋に残ったものは、上等なソファとローテーブル、そしてその上に置かれた空のビンとグラスだけであった。
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