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……。
延々と20分はしゃべり続けた。
親父は定年退職して毎日 家で野球と相撲を見てる事。母親は学食で料理作って働いてる事。兄貴に4人目の子供が生まれた事。先月飼っていた犬のクロが天国に逝った事。
その他モロモロ…。
正直疲れた。
家族の事なんて、めったに言わない。いや、家族内じゃすごく仲がいいんだぜ?自慢してやりたいくらいだが、キミもわかるさ。
家族について語って下さい。
こう質問されてやってみればわかるよ。
「…まぁ、こんな感じだ」
『…ほぉ』
人の家族話に対して ほぉ かよ。
「明日は まいの事を語ってもらうからな。5分で済まそうとか考えるなよ?」
『フッ。安心しろ。20分よりは長い。』
あ、また鼻で笑いやがった。
かなり疲れたな…。部屋の片付けもやったし、しゃべり続けたし、夜中だし…正直眠くなってきた。
「さて、まいさんよ。今夜はもうお開きにしようぜ。俺も明日は朝早いんでな」
『そうか…。ならそうしよう』
さて、睡眠タイムだ。残り少ない時間を確実に活動する為には俺なりに6時間は寝ないと体がもたん。
「じゃぁ、オヤスミ」
そう言ってテレビを消そうとすると
『あ、な、なぁ…』
「ん?どうした」
呼び止められる。
『ん…いや…なんでもない。また明日…』
「ああ。」
まいは そう言い残して画面奥に歩いていった。
一体なんなんだろうね。ビデオは自動で停止し、俺はテレビの電源を切った。
にしても、まいの後ろ姿が寂しそうに見えたのは俺の気のせい?
時刻ーAM0:40
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