笑った

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「しつこいなぁ。だから俺のじゃないって。」 翌日の夜、俺はお経に問いただしていた。 「あんな気持ち悪いビデオ、おまえしかいねぇだろうが!」 かたくなに首を横に振るお経。 「だったら現に見てみろよ!白い服着た女が映るから!」 俺は再び例のタイトルが無いビデオをセットして再生ボタンを押した。 ギュルルル…ギュルルルル… ありゃ?テープが回らない。おかしいな、昨日は回らないどころか、回り続けたんだが…。 結局、ほんとにあった!呪いのビデオpart3と4を俺の部屋で見た…。 お経が帰ったのは深夜11時頃。 帰り際に 「明日はVer.Xってのを見ようぜ」 とからかわれた。例のビデオの事は信じず、まだ俺の部屋にある。 「納得いかん。あいつしらばっくれてるな。」 でもなんでこのテープだけ再生しなかっただろうか?昨日は見れたのに。 まぁ、壊れたら壊れたで好都合だ。 どれ、また再生しなかったら神社に持っていって処分してもらう事にしよう。 どうせ無理だろう…とテープをセットして再生してみる…。 あれ?回ってる…。 そして聞き覚えのある声… 「コロサレニ…キタカ」 うわっ!! また出た!! テレビの中の女は、ゆっくりと画面に向かって近付いてくる。 やっぱりおかしい!こりゃ本物の呪いのビデオだ! 案の定、停止ボタンを押してもコンセントを抜いてもビデオは回っている。 そして、今度はテレビの電源を消そうとリモコンをむけた時 女はハッ!として、ものすごい速さでこちらに走ってきた。 でも、コケた。 うわぁ、今のは痛いだろうな。顔面からいったよ。鼻の骨 折れたんじゃねーのか? 足をばたつかせて、その場にうずくまっている。 「…今のは痛かったろ。大丈夫か?」 女は鼻を押さえながらコクッコクッとうなずいた。 なんとか大丈夫らしい…。 しばらくして顔に手を当てながら 「アシタ……コロス」 こう言い残して画面奥に消えていき、それと同時にビデオデッキも止まった。 時刻ーAM0:30
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