▼▼現代▼▼

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ピピ ピピピピッ ピピピピッー… ガチャー… 手探りでベットの中から彼女は、目覚まし時計を止めた。 「もぉ時間かぁー…起きよ…」 モソモソと起き上がり、桜は煙草に火をつけながらカーテンを開けるが、それもいつもの行動だった。 いつもの光景が目に入る。 高層マンションの最上階から下を見下ろすのは身震いをさせる程、怖いものだが濁る瞳に映るのは光る灯と暗闇の光景。 キラキラと光る店や車の灯。 外は日が沈み、代わりにネオンが辺りを照らしていた。 大都会の東京の中心部…そこに桜は生きている。 建ち並ぶ高層マンション…いつもの見慣れた風景は、なにも変わらない…。 黒のキャミソールの寝間着に下は黒い下着。 部屋は暖房がガンガンだ。 髪の毛をわしゃわしゃと掻く桜は、窓にコツンと額を当てた。 「……だるいな…仕事…」 どっか行きたいな……こんな世界じゃなくて…もっと違う世界に…まぁ無理だけど 何年間も思って来た…何年も…その度に鼻で笑い…馬鹿げていると思う自分もいた…。 閉じきった心の冷たさ…それは額に当たる窓の冷たさに似ていた…。 くしゃりと灰皿に煙草を潰し桜はバスルームに向かった。 部屋の広さ、それは広過ぎる位有り余り…余計な物などなかった…。 黒と白のコントラストの色づかい…それは、まるで自分を映し出す部屋。 黒、それは自分…白は昔の自分…。
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