▼▼未来からの訪問者▼▼

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「いつまでそこに突っ立ってやがんだ、入れ」 「……失礼します……」 土方の声で桜は中へ入ったが、中にいる四人の目線が一斉に桜に向けられる。 ……そんなに見ないでよ……そんなに顔が悲惨? ……土方さんに沖田さん……それにさっきの人は山崎さん……あとの二人は…… 重苦しい雰囲気の中、ここでも桜は正座をするしかなかった。 「君が望月桜さんかね?」 桜の目の前に座る威厳のありそうな人物が口を開いた。 「……はい……」 「良い名だな、桜と言う名は……。私はこの新撰組の局長を務めている近藤勇という者だが、君の事情はある程度聴かせてもらった」 やっぱり……新撰組……… ……教科書に載ってた……お父さんに見せてもらった本に載ってた…… まじまじと近藤を見てしまうぐらい桜の背筋が伸びていく。 過去の光景が、走馬灯のように流れていく。 こま送りに映像が流れ、桜の目が総司に向く。 腕前も逸品ものの近藤は、目尻に皺をつくりながら、一つ頷いた。 「私が気になったのは君が2009年と言ったものなんだが、実に興味深い事を述べる。それはなんだね」 ……説明……タイムスリップして来ましたー!なんて誰が信じてくれるの…… 私でも信じれないのに……それもそんな雰囲気じゃないし…… このままだったら間違いなく……疑われるよね……もう疑われてるよね…… 私日本人だよ……それにこの時代だったら…… 切腹……打ち首なの…… 痛いのは嫌……痛いのだけは絶対嫌…… 痛みに滅法弱い一面もある桜は、思わず顔を引きつらせるが、重苦しい雰囲気の中、口を開いた。
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