▼▼未来からの訪問者▼▼

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『誠。意味が分かるかな。これも桜には少し難しいかな』 『皆、意志があった。って父さんは思うんだけど、桜はどう思う? 沖田総司、桜は治してあげないとね』 ……沖田総司……私……今同じ時代にいる…… 心臓が脈をうちはじめ、桜は思わず髪の毛をくしゃりと掴んだ。 『治してあげないとね……』 『……ありがとう……』 ……誰…… にっと笑みを漏らす近藤は口を開いた。 「君は行く場所がないはずだが、歳。どうにかならんか」 「どうにかってどうする気だ」 「女禁制だが行く場所がなければ彼女も困るだろう。女中はいっぱいなのか」 「手は足りてる」 近藤と土方のやり取りの中、桜はふと眼鏡をかけた人物に目を向けた。 一向に喋ろうとはしない人物ーー山南は、桜の視線に気づけば目尻を下げながら軽く頭を下げた。 ……物腰柔らかい人……きっと山南さん…… 桜は会話の中、山南に軽く頭を下げた。 会話は進んでいくが平行線を辿る。 新撰組は女禁制だが、女中も若い娘はおらず、数名のおなごを雇い、時間になればその者は家へと帰って行く。 住み込みの者など女中にはいない。 「ならどうするんですか」 総司が口を開いたが、桜を隊士に身を置くなどももっての他だ。 ……なに……流石に此処に都合よくはいれないか…… 嫌な雰囲気になりつつ事は感じとれ、桜は軽く頭を下げた。 「あの。すみません、それなら自分でどうにかしますから」
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