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「待って下さい!!」
その声とともに桜の横に並んだのは、沖田だ。
荷物もなく身体一つで邸を出ていく桜の姿に沖田は制止をはかれば。
「……少し待って下さいね」
その言葉と共に門番の方へ歩いていく。
「あなた方はさっきから何を見ているんですか?」
「い……いえ!!私達は桜の…桜の木を見ていました!!はい!!」
「ばればれな嘘をつかないで下さい」
「いえ、本当に桜の木を……はい!!」
沖田は笑っていたが、その目は笑わず、
門番の二人は頭を下げ、必死で沖田に謝るが……無駄だ。
「後で防具を準備しておきますから二人分」
まるで音符が付きそうな勢いだ。
一気に門番の顔が青ざめた。
゛殺される…″
門番は確信した…自分の身に降りかかる恐怖と生死をさ迷う事を…。
待つだけ無駄だった…
桜はその様子を横目で見ながらまた歩き始めた。
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