其ノ弐

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火「[人]と言う字は 互いに支えあってるんだってさ!」 月「何だ薮から棒に」 火「漢字の成り立ちだよ 知らないのか?」 月「何をしたり顔でほざくかと思えば…」 火「やー こんなこと知ってるうち凄くね?」 月「小学校の道徳の常套句じゃねーか むしろ知らなかったのか?」 火「え?い、いやもちろん知ってたぜ?あれだ お前が知らないんじゃないかなーと思ってさ!」 月「まぁどうでもいいが…で それがどうした」 火「それこそ道徳心を持ってないお前に人と人との関係の大切さを教えてやろうと思ったのさ!」 月「お前が学べ暴力女」 火「いや お前が学べ根暗マン」 月「誰が根暗マンだこら」 火「お前だお前」 月「クールと言って欲しいね」 火「うわぁ…痛いなぁ…」 月「…やめろ お前にひかれると本気で傷つく」 月「つか その理屈でいくと、支え合ってない人間は人じゃないってか?」 火「そうだ」 月「即答しやがったな」 火「一人じゃ生まれてこれないだろ?」 月「やめろ 超正論で良いこと言うのやめろ!」 火「だから 人は人なんだよ!」 月「なんだ…俺が何したって言うんだ…」 火「って話を昨日テレビでやってたんだけどさ」 月「テレビかよ!お前に道徳を説かれてるのかと思ってマジでヘコんだわ!」 火「なんだ うちほど道徳を説くのに相応しい人間もいないと思うぞ?」 月「そこまで盛大に勘違いしている奴を俺は他に知らない」 火「名前に[人]ってついてるし」 月「…ああそういうことか…[火]は別に[人]とは関係ないと思うぞ」 火「あ、そうなのか?人が火あぶりにされてる所を象ったものだと思ってたわ」 月「こえーよ!それが本当ならお前の理屈で道徳云々とか説いちゃいけねーよ!普通にたき火の形とかだろうが!」 火「あ、そうなのか!」 月「なんかどっと疲れてしまった…」
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