第一章-俺は恥さらし-

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小鳥の囀りが一室に響くと、今日も晴天の日差しが遮光カーテンを通じて部屋に入って来る、さっきまで暗闇一色だった部屋に光の輝きが色を取り戻す 部屋の中は様々な絵画やインテリ家具が置かれ、中心部にキングサイズのベッドが置かれ、モゾモゾと何かが布の中で動くと、ピタッと動きが無くなった ……刹那…… 布が宙を舞い人影が飛び出すと同時にキングサイズのベッドが窓辺の方向にひっくり返り、人影はベッドの内側に身を潜めると爆音と共に扉側の壁が爆発し無数の銃弾が煙に紛れて飛び交っている 「くっっそダルッ!!!最後の休日を潰されたじゃねぇか!?あぁあクソたれがぁぁ…しかも無防備だし」 このいかにもダルそうな喋り方は、先程の少年だった。ベッドの分厚い板で何とか銃弾を防ぐも、このままじゃ持たないと悟った少年は体勢を低くして辺りを見渡すが愛用の剣やチャクラムは無く溜め息を吐くと俯く すると、視界に入った爆発で飛び散った扉の残骸を見つけると頭の上でランプが点滅する 「とりあえず、惹き付けるにはこれでいいな」 口元が緩んだと同時に鉄球を持ち思いっきり窓に投げ付ける、するとバリンと高音を経てて割れ、同時に銃声が鳴り止む 「撃ち方辞め!外に逃亡したようだ。手分けして捜索を開始せよ」 バタバタと廊下を走り去ると、ふぅと一息吐いて立ち上がり上手く引っ掛かってくれた事を感謝するかのように一度合掌し 「ったく派手にやってくれたなぁ。クローゼットは…っと無事だな」 煙と壁を粉砕した時に舞い上がった砂埃が部屋に広がり、口元を押さえて埃を直に吸わないようにすれば着替えを済ませて、愛用の武器を持って鏡の前に立ち 「何のつもりかは知らねぇけど、人の休日を奪ったんだ…タダじゃ済まさねぇからな」 妖笑を浮かべれば窓側まで行き、両腿から腰に引っ掛けてあるチェーンを伸ばして屋根を見上げると、淵にあるパイプに巻き付け昇り三枝達を見下ろす …そして今に至る…  
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