第一章-俺は恥さらし-

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……何故か? それは並み外れた治癒能力についてだ。人には傷や火傷、痣などの外傷に与えられたダメージを徐々に回復する力がある。 大きな傷や内傷にはほとんど効果を発揮しないのだが、レイルの場合は人並み以上…いや人離れした治癒能力を持っていたのだ。いつの間にか止血され、裂けた血管は徐々に繋ぎ止められようとしている 初めて見た人は驚愕する、もしくは嘔吐や目眩を起こす者が主。治癒のスピードが早い分、グロテスクに再生する為だ だから極力、他人には見せないようにしている カトレア 「んじゃすぐ治すから、目瞑ってて」 レイル 「あいよ」 カトレア 「【エーレ】」 傷口に手を翳すと翠色の光を放ち、温もりを感じさせる香りが漂い傷はスッと消えていく エーレとは、光と風属性を合わせた治癒魔術の一つで、香りと光が五感から心をリラックスさせ一瞬で傷を内部から治す中級魔術である。 カトレアは詠唱を短縮させ破棄した事で瞬時に発動したのだ レイル 「やっぱ流石だなぁ!もう完璧に治ったみたいだし明日は勝ってくるから」 カトレア 「フフ…楽しみにしてるからね!レイル君」 お互い笑顔で会話を終えるとレイルは上着を羽織り部屋を後にする。 長い廊下を歩きながら完治した腕をブンブン回しながら、部屋まで行くと何も無かったかのように綺麗に修復されており扉を開けると目の前に筋肉質の男が立っていた レイル 「うわぁっ!?何なんだよオッサン」 「オッサンは辞めろと言っている。」
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