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「死にたきゃ死ね。逃げたきゃ逃げろ。俺はお前という人間に対して微塵の興味もない」
少女は無気力な、無慈悲な瞳で、俺の心をえぐるように射抜いた。そして、離すまいとしがみつく俺にこう続けた。
「お前が此方に興味を持ったことで、何らかの物事が進展するのはお前だけ。そんなこと、俺等からすりゃ時間の無駄。迷惑この上ないってわけ。だから、離せ。“俺は”“お前に”“興味ない”」
云った後、容赦無く俺のみぞおちを蹴り上げ睨み付け、いかにもうっとうしそうに止めを刺した。
「知ってるか。お前と俺はなんの繋がりも無い他人なんだぜ」
それを聞いた瞬間、蹴られても殴られても離れなかった手から少女の袖がするりと抜けた。“なんの繋がりも無い”。前世にも、来世にも。今世紀が最初で最期。
「あぁ、じゃあ、さようなら。永遠に…」
そうして少女は微笑み居無くなる。興味のない、繋がりさえ無い他人に。
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