―目的―第二章

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「本当に、ひなちゃんだけだったんだよね。この人だ!って思ったのは」 「…男なのにか?」 「別に叔父さんの彼女を認めるんじゃなくて、叔父さんの傍にいれる人を、だよ。親友でも先輩でも先生でも、何でもよかったんだ。唯、叔父さんを支えて、理解をしてくれる人を見定めてたんだよ」 「…それ、お前いくつの時の話だよ」 「俺の記憶が“確かな時”からずっとだよ」 …あ。 サラリと言ってしまった言葉に後悔した。 眉をぴくりと動かし、切なげな顔をするひなちゃんに苦笑い。 ごめん。 この話はタブーだったね。 「ははっ!ガキの癖に可愛げが無い子供だったんだなぁ、俺って」 「…何を今更。お前は会った時からずーっと可愛くない。今も可愛くない!」 「ふはっ。そんなに力込めて言わなくたっていいじゃん」 「だから!…もっと甘えろ…」 ひなちゃんの声音が下がる。 優しく、宥める様に俺を見下ろしている。 見るな。 見るなっ! 「…そう…だね」 あんな事言わなければよかったなぁ、なんて後悔。 喉が渇いていく。目線を外したいのに外せない。 お願いだから、そんな目で見ないで! 「じぁあ…」 ごめんね、ひなちゃん。 この話はまた今度ね。 「じゃあ、今度ミルクティー奢ってね!」 「そ…そういう意味じゃねぇっ」 「ほらほら、ここでしょ?俺の新しい教室。クラスメイトっ!」 「あ、あぁ…」 「1-A、担任は黒澤ひなり先生、だね?何か変な感じ~」 ケラケラと笑うとギロリと睨まれてしまった。 でも、なんとか会話の流れを変える事ができたみいだ。 「ったく…ドアの前で待ってろ。俺が呼んだら入って来いよ?」 「おお!憧れの転入生登場シーンだね!」 .
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