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キラキラと目を輝かせる俺に、ひなちゃんは呆れた様に目を据わらせている。
え?だって誰だって憧れない?
このシチュエーション!
これが恋愛コメディーだったら、朝ぶつかってしまった美少女と偶然同じクラスになっちゃったりするんだろうな!
そしてまさかの隣の席!
その子は実は学園のアイドルだった!みたいな?
まあ、この学校には男しかいないから、そんな事ある訳ないけど。
現実はいつだって厳しい!
俺が妄想の世界にダイブしてしまったため、ひなちゃんは諦めて教室のドアを開けようとしていた。
「あぁ、ひなちゃんちょっと待って!ひとつ言い忘れてた!」
今度はなんだ、と怪訝な顔をするひなちゃん。
ふふふ、まあまあ、ちょっと聞いてよ。
これを聞いたらそんな顔出来なくなっちゃうんだからさ!
少し邪魔なビン底メガネをずらし、ひなちゃんを上目遣いに真っ直ぐ見て、にやにやと口を開く。
その姿はまるで、悪戯を考え付いた悪ガキのようだ。
「さっき、俺達の感動の再会の時」
「感動じゃねーだろ」
「叔父さんがねぇ」
「…樹がなんだって?」
おっ!食い付いた!
さあっ!聞いて驚け!
「俺に嫉妬してたよ?」
「…は…はッッ?!」
ぼんっ!と顔が赤くなるひなちゃん。
あぁ、ホントこの顔大好きだなっ!
可愛い!
口元を押さえて笑う俺を横目に、勢いに任せて教室の中に消えて行く。
教室内は一瞬静かになったかと思うと、一気にオーバーヒートした。
きゃあきゃあと甲高い声と濁った声が聞こえる。
ひなり様どうなさったんですかああ!と言う心配の声は、歓喜の色を帯びていた。
あぁ、ひなちゃん。
やっぱり同性にもモテちゃうんだね。
そしてごめん。
今のは俺がいけなかったね。
今のひなちゃんはきっといつもより顔を真っ赤にして、もう収拾がつかなくなっているんだと思う。
あの叔父さんが、あのたぁーくん大好き!な叔父さんが、俺に嫉妬をしたんだもん。
前代未聞だよ!
「黙れお前等、喋るな」
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