始まり

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「お母さんのはー?」 * あまり気が進まないが大会に参加することになった勇樹は、昨日事前に調べておいた電車に乗って大会会場に向かった。 会場はすでにものすごい数の人で溢れていた。流石ゲーム界最大の大会である。 受付で冬音との選手交代の手続きをしているとさっそく問題が発生した。 今日冬音が5種類のゲームに参加することは知っていたが、それ以外にも、開会式で一言挨拶するというプログラムがくまれていた。 栗原家っていうのもあるが、ゲーム界のアイドル…マスコット、といってもいいほど人気のある冬音だ。この大会の挨拶を任されてもおかしくはない。 それは外せないのか聞いたところ、なぜか絶対に外せないらしい。 開会式の挨拶なんて聞いていないし、もちろん何を言うのかも考えていない。それ以前に目立ちたくないのだ。 しかし、冬音との選手交代を認めるには挨拶をやらないといけない、と言う話になったので仕方なく了解した。 * トイレ行きたくなってきた…… 緊張すると何故かお腹がゆるくなってしまう。 しかし今はそれどころではない。 自分の出番まであと少しというところまできているのに何もうかばない。 こんな超急展開になるんだったら大会に出るんじゃなかった。
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