始まり

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とぅるるるる…… 携帯電話の着信がなる。 これが俺の目覚まし時計のかわりなのだ。 なんで目覚まし時計の機能を持つ携帯電話で、着信が目覚まし時計代わりなのか。 ちなみに世話好きな幼なじみの女の子からとか彼女から毎日電話が……なんてことはもちろんない。 電話をかけてくる相手は母親。べつに高校生になってもひとりで起きれたい。というお茶目な弱点があるわけでもない。 あってもお茶目でわないかもしれないが…… ただたんにうちの母親が自分の手で我が子を起こしたいのだ。 前までは部屋まで起こしに着ていたが、最近は部屋立ち入り禁止にしている。 男にもいろいろあるんですよ。はい。 立ち入り禁止になってもどうしても起こしたいと言うことで、携帯電話で起こすようになったのだ。 そう。子離れが出来ないのだ。うちの母親は。 携帯に出ると明るい声が聞こえてくる。 「勇樹君起きましたかー?朝ですよー♪」 「うん。今起きた。」 この息子の事を君付けで呼んでいるのが家の母親、栗原早苗である。 何度も君付けを止めてと言っても、返事は「はいはい」とは言うのだが、止めてくれない。今では止めてもらうことを諦めている。
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