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日を改めて、私は高崎くんを呼び出した。
自分でも何をしたいかわからない中で…。
「呼び出してごめんなさい。」
「いや…いいよ。」
それから話し始める。
「高崎くん…高崎くんは、どうして私に関わろうとするの?
私は…迷惑って言ったよね。」
私が冷たく言い放つと、力強い目で高崎くんは返してきた。
「俺はお前の…美島の事が知りたい。
涙の訳、人と関わらない訳…家族の事。」
「知ってどうするの?」
「美島は…昔の俺に似てるんだ。
本当は寂しいんじゃないの?
俺はさ…美島をこのままほっとけるほど…酷い男じゃねぇし。」
「そう…わかった…。」
高崎くんは、きっとこういう人なんだ。
私は表情を変えることなく、高崎くんに言った。
「私はね…四人家族…だったの。
お父さん、お母さんはね…事故で死んじゃったの。」
「え…?
じ…事故?」
驚いた表情を見せる高崎くん。
「数ヶ月前にね…私を残して、死んじゃった。
たまたまお母さんとケンカしてて…でも、帰ってきたら謝ろうとしたんだよ。
なのに…お帰りも言えなかった…言いたかった!!」
感情的になったからか、思い出したからかは分からない。
自然と涙が零れてきた。
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