運命の戦争

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三人の乗った馬車はいつの間にか山奥を走っていた。 「いい鍛冶屋ってのはたいがい山奥にいるよな、」俺は言った。 「そうだよな、人付き合いが難しい人が多いからな」オメガが答えた。 「んで、そろそろ教えてくれ、その封龍剣が何をしでかしたか」ノアが待ち侘びたように言った。 「ああ、わかった、その大剣はな、俺の一族がある鍛冶屋の組織から譲り受けた、世界で一つしかない大剣なんだ、それでなそのことを聞き付けたギルドがぜひとも見せてくれと俺の一族にかなりしつこく迫ったらしい」俺は説明した。 ノアは珍しく聞いている。 「それで俺の一族がしかたなく、その剣の披露宴を開くことにした、それで大惨事が起こった、 世界でたった一つしかない大剣だからな、当然ギャラリーも沢山来る。それで大剣は中央にあったステージに上げられてな、被せてあった布を除けた瞬間に大剣から黒い光がちりばめてな、ホールの中にいた、全員を八つ裂きに切り刻んだらしい。酷かったらしいな。そこらじゅう血の海で、頭やら腕やら足やらが転がっとったらしいからな、そんで大剣は力を失い俺が鍛冶屋に預けたってわけ。その事件で俺の一族の大半は死んだ。」 「そんな恐ろしい大剣を使うのかよ、また暴れたら俺らも死ぬぞ」ノアはガクガクだった。 「もう、それに頼るしかないんだ、いざとなったら、朧火で切ってくれ」俺は言った。 馬車はさらに奥へ行く。
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