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「俺も好きだから」
頭がショートしたかと思った。
キャプテンが言ったことがわかるまで数秒かかった。
頬赤く染め、照れ笑いを浮かべたいつもと違うサッカーをやってる時には見せない顔だった。
俺だけ特別、と思うと自然に顔が綻ぶ。
「えっとあの…」
「帰るぞ」
キャプテンは俺の手を取り歩き出した。
顔が赤いのを隠すために顔を背けているのだが、耳まで赤くなっていたのでまるで意味を成してなかった。
憧れの人と手を繋いでる、という事で俺はとても満たされていた。
いつも厳しいキャプテンの色んな姿をたくさん見れて充分だった。
最初は手を繋ぎ一緒に帰るだけでいい。
一歩一歩進んでいこう。
「はい!」
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