隻腕の猿

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 何処までも続くと思われた密林が、不意に途切れた。  草や木で作られた粗末な小屋が現れた。  小屋の前には簡素(かんそ)なベンチが置かれ、そこに老人が腰かけているのが見える。   「アンタが、この『猿の左手』を作ったのか?」     (たず)ねると男は意味ありげな笑いを浮かべて答えた。 「私が作ったのは、只の木乃伊(ミイラ)さ。  左手はこの猿のモノだよ」  
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