23人が本棚に入れています
本棚に追加
三日とまたずに小包が届いた。
黒い包装紙の上から麻の紐で縛ってある。
見るからに怪しげな代物だった。
早く中身を確かめたい。
包みをあけるのももどかしく、紐はカッターで切り、包みはビリビリに破ってしまった。
中には安っぽい木の箱があった。
そっと蓋をあける。
カリカリに渇いた木乃伊になった猿の手が自然素材、つーか紙を刻んだ緩衝材に包まれて入っていた。
思ったより、小さい。
毛だらけの黒っぽいクシャクシャした塊だ。
手にとってみる。
軽い。
軽すぎないかコレ?
恐る恐る臭いを嗅いだ。
強烈な獣の臭い。
暫く、臭いは鼻からとれそうにない。
直接鼻を近づけた事を後悔した。
箱の隅に白い紙が入っている。
「三つの願いを全て叶えたら『猿の左手』は、持ち主の処へ帰って行きます」
どういう意味だろう?
手が勝手に這って行くとでも?
最初のコメントを投稿しよう!