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次の日から晋のミッションは始まった。
始まったと言っても積極的な行動は何もできないのだが。
「オレに関わってくる女子なんていないだよなぁ。」
少し早目に登校して、誰か声をかけてくれないかと期待して、彼は席についていたのだった。
しばらくして、
「おはよう。茨木くん。」
図書委員の十三杏里が声をかけてきた。
「彼女がサファイアか?」
晋は密かに思った。
「茨木くん本の貸し出し期限過ぎてるよ。」
「あ、ありがとう。すぐに返却するよ。」
なんだ業務連絡かよ。
がっかりする晋だった。
「十三さんは美人ではないし、スポーティーでもないし、(触ったわけではないけど)微乳だし、サファイアとはとても思えないよ。」
と晋は考えた。
「こらこら、漫画の通りとは限らんぞ。」
声が聞こえてきた。
「こんなところで話かけるなよ。気付かれるだろ。」
「大丈夫じゃ。お前の頭に直接語っておるから。お前も考えるだけで良い。」
「了解。なら教えてくれ。十三さんはサファイアなのか?」
「わしに確かめる方法はない。」
「ええっ!」
「お前が確かめるのじゃ。」
「どうやって?」
「心の交換が可能か確認するのじゃ。彼女と身体接触をすればいい。」
「そんな、セクハラできるかよ。」
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