1/1
前へ
/8ページ
次へ

ただ、見てるだけで良かった。 貴方が私の前に訪れて笑ってくれるまで。 私には何もなかった。 貴方が導いてくれるまで。 私には悲しみしかなかった。 一人で眠る夜を 幾度かき消そうと傷を付けたか。 貴方はそんな私を優しく撫でて包み込んだ。 幸せな日々。 それは儚い。 貴方は去った。 私の心に大きな影を残して。 わかってた。 一人よがりの幻だと。 愛しさは時に残酷。 貴方の影が今も心を締め付ける。 あの頃の優しい笑顔と 撫でる手が私の体を縛り付ける。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加