2nd Fox「リゼク・シューリッヒ」

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彼女は早くも二つの意外性をさらけだした。 なんだか、そこに彼女に対する好奇心がそそられた。 言葉の途中で押し黙ったかと思うと、ゆっくり少女は言い放った。 「だって…、あなた。 行く宛、無いんでしょ?」 突然核心を突かれ一瞬驚いたが、良く考えればそんな事は一目瞭然であった。 なぜなら俺の風貌を見るがいい。 布切れに違わぬ上着、何ヵ所にも穴が開いたズボン、手入れさえ行き届かず、伸びきって乱れた髪。 まさに絵に書いたような『負け組』じゃないか。 自覚した途端、少女に対して俺は酷く劣等を感じた。
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