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行く宛も無いというのに、強がって。
全くバカらしいな、俺は。
あの時、少女の好意に甘えていれば、もう少し未来が変化しただろうか。
倒れ込んだ俺は、胸ぐらを掴まれ、無理矢理に立たされる。
「おらぁ!!!
立てや腐れニートが!!」
あの後、だ。
放心していた俺は、近くにいたこの不良集団に激突した。
そして怒る不良集団に取り囲まれ、集団暴行を受けているのだ。
テリトリーで見つけた、あまりに格下の捌け口を、連中が見逃す筈など無かった。
逆立った金髪の、ピアスを開けた男が俺の手を捕縛する。
残る数人は、嫌らしい笑みを浮かべ、こちらに歩み寄る。
その内一人の、髪を無造作に逆立てた少年が、俺の眼前で立ち止まり、拳を構えた。
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