2nd Fox「リゼク・シューリッヒ」

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男は、集団の先頭を歩いていた、俺がぶつかったそいつだった。 赤く染まった髪、両耳に5と開けられたピアス。 まさに、ならず者を定義させるような姿だった。 風を切る音に続き、何とも痛烈で、鈍い音がした。 俺の頭部に、思い切りのフックが叩き込まれる。 拳にキレは無く、そいつが格闘技に関しては全くのド素人である事は解った。 それでも、俺の意識は痛みにぐらついた。 連日の疲労、空腹によって、俺の体力は著しく低下していた。 一発、また一発。 体に鈍痛が走る度、次第に意識が刈り取られる。 そうしていよいよ、俺もその意識を失いかけた。 鏡で見れば、焦点の合わない瞳、生気の無い瞳が映るだろう。 男は口の端を緩め、その拳を固く握る。 そして、俺に向けて構え…。 「やめてぇっ!!」 …あの大バカが。 社会勉強もろくすっぽ出来ないのか。
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