2nd Fox「リゼク・シューリッヒ」

11/52
前へ
/57ページ
次へ
一斉に、その声の元を向く全員。 当然、俺も例外でない。 やはりこの修羅場にはあまりに不似合いすぎる、可憐な、そして美しい少女。 ひどく息を切らして、こちらを見ている。 「その人を…、その人を許して上げてください!」 少女の言葉に、不良集団の顔色が変わる。 明らかに、目付きが鋭くなったのだ。 「あ? おい嬢ちゃん。テメーがコイツの何かは知らねぇがな、コレはオトシマエだ。 きっちりケジメ付けてもらわねぇと、こちとら顔が立たねぇんだよ。 解ったら失せろや!! ぶっ殺されたくなきゃな!!」 少女は、俺を殴っていた男の罵声に、身体をびくつかせる。 彼女の翠眼は涙目になって、数歩後退っていた。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加