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一斉に、その声の元を向く全員。
当然、俺も例外でない。
やはりこの修羅場にはあまりに不似合いすぎる、可憐な、そして美しい少女。
ひどく息を切らして、こちらを見ている。
「その人を…、その人を許して上げてください!」
少女の言葉に、不良集団の顔色が変わる。
明らかに、目付きが鋭くなったのだ。
「あ?
おい嬢ちゃん。テメーがコイツの何かは知らねぇがな、コレはオトシマエだ。
きっちりケジメ付けてもらわねぇと、こちとら顔が立たねぇんだよ。
解ったら失せろや!!
ぶっ殺されたくなきゃな!!」
少女は、俺を殴っていた男の罵声に、身体をびくつかせる。
彼女の翠眼は涙目になって、数歩後退っていた。
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