2nd Fox「リゼク・シューリッヒ」

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おおかた明察しているだろうが、その力を継承した玉藻の子孫が誕生する。 それにより、種族平均の戦闘力は飛躍的に上々する訳だ。 つまり、種族間の争いに勝てるようになったんだな。 今でこそ、妖狐にも強い弱いの差が出てきたが、当時の戦闘力は特に目覚ましいものだったと、言われてるな。 今でも、その血を強く受け継いでるらしいのがいる。 オレやノエルとか。 上げ出したらキリが無いが、その中でも頭一つ抜いてるのがノエルだな。 あの人は強いぜ。 あれは、バケモノだ。 オレ達全員バケモノなんて、ベタなツッコミしないでくれよ? それでだ、ノエルはやがて統率者となった。 統率者になった彼が打ち出した策は、彼の実力と相まって異質だった。 『力のある人間を選定し、妖狐とさせる。』と。 あまりに無茶苦茶だと思われた。その時はな。 それでも、ノエルは絶対的存在だからな。 皆従わざるを得なかったよ。 しかしだ、確かにそれを初めてから、妖狐の平均戦闘力は再び急上昇し出した。 この業績は大きかった、相当にな。 それからだ、ノエルが指導者としての力を増す毎に、日に日にノエルを批判する輩は少なくなっていった。 あぁ見えて、やっぱりその存在はオレ達にとって、大きいんだ。 もちろん、今もその『人間選定』の伝統は続いている。 出会い頭に少し話をしたが、つまりそういうこと。 それがオレの仕事だ。
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