2nd Fox「リゼク・シューリッヒ」

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男の吐息が荒くなり、乾いた唇が近くなる。 ロマンの欠片さえ無いな、生臭い匂いがする。 う、気持ち悪い。 どん、と。 瞬間、オレは地面に叩き付けられた。 いわゆる、騎乗位。 …これは、頃合いだな。 男は興奮を抑え切れないのか、顔を次第に近付けてくる。 「安かねぇよ…!」 刹那、オレは男の腹に、膝を叩き込む。 「げふ…っ!!」 奴にはよほど想定外だったか。 間の抜けた声を溢し、その体が宙を舞った。 その瞬間、オレは飛び起きて、右手で宙にある男の頭部を、壁に抑えつける。 壁と骨がぶつかり、鈍い音を発した。
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