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連中は一瞬身震いしたが、オレの行動を認識すると、なんとも間の抜けた表情をした。
金髪男も例外ではない。
オレの右手が、首を離したからだ。
「知ってるか?
この時間帯には、常に警官が巡回してるんだよ。
こんな大声の、切羽詰まった叫びを聞いたら。まして。
こんな姿のオレと、お前達を見たら、…後は解るな?」
一斉に、奴等はドアへ駆け寄った。
だが、ドアは開かない。
それはそうだろう、軽く細工させてもらったからな。
少し奴等の足下を見れば、壁を固定する呪印がある。
だが所詮即興。その妖力は薄く、砂でもかければたちまちに効力が失われてしまうが。
これも注意深く見れば、見落とす道理はなかろう。
それすらも見落とす奴等は、やはり酷く狼狽している。
終いには、ドアに体当たりまでし始めたのだからこれは面白い。
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