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「でぇ?
また仕事、ですよね?」
「あぁ。今回のターゲットはコイツだ。
人間でありながら中々の素質を持った男だ。いいか、必ず。必ず此方に引き込めよ」
念を押し、ノエルが言う。
こういう風に彼が必死になっている時に失敗すると、後々が面倒。
それは長年の付き合いから体得した事だ。
「はーいはい」
気の入らない返事を返して、オレは跳躍。
空中に身を置き、宙に浮いた状態になった。
「行ってき~、っす」
「おう、死ぬなよ」
簡単に声を交わすと、オレはその男のいるであろう場所まで飛び去った。
その時の、オレを見送るノエルの視線など、気付きさえしなかった。
別段気にしてもいないのが平常だったから、そう可笑しな事でも無いのだが。
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