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「早く作らねぇと、朝の礼拝に間に合わないぞ」
「わかってるわよ。
勇熊は洗濯当番でしょ」
「もう終わった。
俺が子供の相手しとくから、早く顔洗って飯の支度してこい」
勇熊は以外にしっかりしている。
まぁ、私も不眠症じゃなければしっかり家事をこなせるはずだ。
欠伸をしながら台所へ。
台所で顔を洗い、冷蔵庫から卵と冷凍していた食パンを人数分取り出す。
5分で出来るエッグトースト。
人数分作っても15分とかからない。庭で勇熊が子供達とはしゃいでいる声が聞こえて来た。
エッグトーストが出来上がり、私は窓を叩いて勇熊を呼ぶ。
勇熊はそれを見て、子供達を引き連れて居間へ戻って来た。
「ほら、早く席に付け。
朝飯は冷めたら不味いからな」
『はーい!!』
整った返事。ご飯時だけは礼儀がいい。
全員揃った所で、指を重ねる。
「お祈りを」
私は先導して、祈りを口にする。
『天にまします われらが父よ
願わくば御名をあがめさせたまえ───』
それを少し遅れながら口にしていく子供達。
勇熊は、子供達の手を握り、敬虔な表情で祈っている。
こういう時は、真面目だ。
幾ら眠くても、思考が鈍っても、祈りは勝手に口から出る。
『われらの日用の糧を今日も与えたまえ───』
子供達も、深い意味はわかっていなくとも、祈りの大切さは身に染み付いている。
『国の力と栄えとは限りなくなんじのものなればなり───』
「・・・アーメン」
『アーメン』
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