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「ちょっと待ってくれ!俺まだ食べてすらいないんだぞ」
「早く来てね、のりくん」
「ちょ…」
そうして姫小松は俺をおいて1人教室に帰って行った。
俺はカレーライスをかきこみ、食べ終わった頃には次のチャイムまでギリギリだった。
「あー、もう間に合わない!カレー残すべきだったか?でも、美味かったんだよな~、じゃなくって!とにかく急がないと!」
そんな独り言を言いながら廊下を走っていると、久しぶりな何かを感じた。
この言葉では言い表せない嫌な感じは、間違いない。
殺気だ。
俺は殺気のする方へ向かった。
殺気の近くに着くと1人の男子生徒が地下に続く階段で携帯電話をいじくっている。
俺はできる限り気配を薄くする。
「よし!」
男子生徒は携帯電話をポケットにしまい、上にのぼりだす。
俺は柱の影に隠れ、息をひそめる。
そして、例の男子生徒が背中を見せた時、俺はとびたして男子生徒の首に手刀を入れる。
男子生徒は崩れおちるように廊下に倒れた。
俺は携帯電話を盗んだ。
わかっていた事だがロックがかかっている。
まあ、この程度のロックなら持ってきていた専用の機械で何とかなるだろ。
面白半分で持ってきた物だが、持ってきて正解だった。
「しかし、こいつはランク的に下級だな。殺気をただ漏れにしていたり、周りの気配を感じとれない所を見ると」
だが、そうなるとこいつは誰かのバックアップである可能性が高いな。
俺はすぐにその場から離れた。
この男子生徒の仲間が近くにいる可能性も捨てきれないからだ。
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