「死活」から「生活」へ

4/17
前へ
/363ページ
次へ
さて、扉の目の前な訳だが、足が竦(すく)んで動けない。 「どうしたのですか? 晶人?」 正直に答えた方が良いよな…… 「いや……あの、ちょっと怖いな~なんて。あはは……」 俺が苦笑いしながら言ったあと、四季様は「ふむ……」と少し考えて言った。 「ならば、私の手を握っていれば良いでしょう。そうすれば少しは恐怖心が薄れますから」 「ふぇ? なんと仰いましたか?」 俺の聞き間違いでなければ『手を握っていれば』と言っていた様な… ぽけっとしている俺を四季様はくすっと可愛らしく笑って、 「ほら、早く行きますよ?」 と言って俺の手を取り、扉へと入り込んだ。 俺もまた然り、扉の中へ……
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

914人が本棚に入れています
本棚に追加