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「そう言えば、白玉楼って桜の名所でしたよね?」
彼岸で話に出た白玉楼の事についてを移動中の話のネタにする。
流石に道中無言は辛い。
「ええ、毎年この時季になると綺麗な桜が一斉に咲くので有名ですね。その庭の持ち主である西行寺を知っていますか?」
「いえ……名前だけしか知りませんが」
西行寺という人物が二百由旬にも及ぶと言われる広い庭を持つ白玉楼の持ち主なのは冥界時代の時に知ったが、どのような人かまでは知らない。
因みに俺が冥界で過ごしていた期間中、白玉楼には立ち入っていない。
「簡単に言えば……『お気楽』かしら。まぁ会ってみれば解るでしょう、もうそろそろ見えてきましたよ」
少し先を見てみると、長い長い階段の上にある広大な庭の中心に御屋敷が建っている土地が見えた。
態々階段を登るのも面倒なので階段の終了地点まで飛んだ。
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