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初春「ほら、見てください…今日助けた人たちからもらったお礼の品です」
そう言って初春は、ポケットから取り出した。
上条「映画のチケットに、ゴールデンカードに……何だこれ?ピンバッジ?」
初春「……どうしても、悪さが出来ないんです…」
上条「ふーん……つーか、そこまで感謝されるなんて、逆に羨ましいと俺は思うけどなー」
初春「私は本気なんです。本気でグレてやる、って心に決めたんです…。なのに全然上手くいかなくて…」シュン
上条「それが君のいいところなんだと思うけどな」
初春「え?」
上条「君はきっと、人に殺意だとか悪意だとか持てない人間なんじゃないか?だから、いくら悪いことしても逆に人を助けてしまう」
上条「きっと君の一番、誇るべき長所なんだよそれは」
初春「…長所?」
上条「そ。どんな人間であっても、生まれ持った優しさで接してしまう。大袈裟かもしれないけど、菩薩のような存在かもな」
初春「ほ、菩薩って……買い被りですよ…」
初春「私が菩薩とか仏様なら、友達がしたことも許しちゃってるはずですし…」
上条「まあ…どっちにしろ、君は悪さをするには向いてないんだと思うぜ」
初春「………やっぱりですか…」
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