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誰もが、只、呆然としていた。
圧倒的としか言いようがない、一つの存在を、くいいるようにして見ていた。
「……」
――――ガンダム。
その圧倒的な存在が手に持つ銃が光る度、近くの機体が消し飛んだ。
突如、ガンダムの動きが止まる。見つめる先には一人の……――。
※ ※ ※
白昼夢を見ていた。まだ少しボーッとする。
ガンダムが出現して、3日がたった。今日は傭兵の仕事で呼び出されていた。 恐らく、ガンダムがらみだ。
私はこ洒落たカフェで、コーヒーをすすって、暇をもて余していた。やる事が無いので、3日前の事を思い出す。……ガンダム……。
そういえばビームライフルが初めて使用されたのも、三年前だった。 実弾と違い、気温や湿度の影響を受けず、驚異的な火力を持った携行兵器にあらゆる国が飛び付いた。研究が進み、支給されたのもちょうど一年前だ。
ガンダムが最後を遂げた三年後、世界はガンダムを忘れようとしていた。でも現れてしまった。
チラッと、時計を見る。そろそろ来る頃だろう。
私はとりあえず、軽食を注文した。
単調な音楽と共に、自動ドアが開く。
「君が、グラハム・エーガーか?」
「ええ。貴方は?」
「そうか、私の名はアリー・アル・サーシェス。国際捜査官だ」
「国際捜査官………」
「そうだ。――――仕事の話をするか。まず、君から聞きたい事はあるかな?」
「何故、私が選ばれたんです?」
「それは、君が【ガンダム】と戦闘を行い生還したからだ」
あぁと、思う。
「なるほど」
「欧州を初めとした、世界各国は三年前の再現を危惧している。それで、私にガンダムの調査・討伐を命令した。そして、君にはパートナーになってもらいたい」
「……わかりました」
「自然な口調で構わない。私達はこれから戦友だからな。明日また、ここで話そう。細かい打ち合わせがあるからな。」
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