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2010年3月
僕らは終業式を向かえ、新たな気持ちで次の学年への期待、恐怖、そして憤りを感じていた。
何故時は早いのか。
そう思う一人のファットボーイがいた。
いままでずっと家族や先生に甘えられてきたこの少年は、一人ではどうすることもできなかった。そして中学三年。無責任主義を貫いて来たこの少年、いやデブと言うべきだろうか。
このデブ少年の名は―――――――落腹衰夏
帰りのホームルーム
山元「ではみなさん、体調には気をつけてください。」
この声は2-7担任の山元先生である。
挨拶し解散した後、衰夏とゲイとカクガは江賀に呼び出された。
江賀「今日珍しく数学部の召集がきているんだよ。だから行かないか。」
カクガ「俺は幸い部活休みだから行くよ。」
ゲイ「あ~、行くよ。」
内心、ゲイは
(チェ、今日は早く帰ろうと思ったのによ。)と思った。
衰夏「俺はホットルームに行くよ。先生に新作のかみ切りを見せるんだ~」
三人は呆れた。
かみ切りとは紙を使って物を表現することである。
江賀「じゃあ終わったらさっさと来いよ。」
衰夏「わかったよ~」
衰夏は荷物を持つと走って去っていった。
これが全ての幕開けであった。
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