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駿作の質問にまずは謙二と早苗が答えた。
謙二「駿作君、君は自分が服役した事を気にしているようだが、君はちゃんと罪を償ったんだ。」
早苗「そうですよ、相手の方が不幸な事に命を落とされてしまった…けれど、あなたは、ちゃんと法的な裁きを受け、罪を償ったのですから堂々としていたらいいんですよ。」
駿作「……」
雅哉「卓哉から、話しを聞いています。藤川夫妻の仰るように、罪の償いは終えたのですから、堂々としていればいいんですよ。」
泉「そうですわ、何も悩む事なんてありませんわ。胸を張って、妹の幸せを喜べばよろしいわ。」
浩輔「俺達は学生時代から2人と接してますからね、きちんと筋を通した人を軽蔑するような人間じゃありませんよ。」
莉子「そうそう。深愛は本当に喜んでいるんですよ…お2人が式に出席してくれて嬉しいって…だから、心から深愛の幸せを祈ってあげて下さい。」
瞬「俺は、会社でのお2人しか知りませんから、大きな事は言えませんが、先輩達は本当にかっこいいカップルです。」
円「かっこいいカップルって…コメントが滅茶苦茶じゃない。 でも、本当に素敵なお2人です。」
シズ江「駿作さん、実は私が、深愛さんの生い立ちの事を、深愛さんに明かした張本人なんです。」
駿作「‼」
シズ江「でも、深愛さんは本来なら、そんな事を明かした私を恨むのが当然なのに、許してくれたんです。 例え、あなたが罪を犯した事が事実でも、皆さんが仰ったように、きちんと償ったのですから、妹の晴れ姿を目に焼き付け、幸せを喜ぶ権利はありますわ。」
駿作は思った、深愛はこんなにたくさんの人達に愛され、大切にされてきたからこそ、実の両親から引き離した自分を憎まず受け入れる事が出来たんだと思った。
深愛「みんな、ありがとう。お兄ちゃんの事を受け入れてくれて…」
卓哉「深愛…みんなは、ちゃんと分かってるよ。 駿作さんが辛い思いを抱えて生きてきた事を…」
深愛「…うん。」
駿作「皆さん、ありがとうございます。深愛、お前はこんなに素晴らしい人達に囲まれて育ったんだな…これで、俺も心からスッキリしたよ。だから明日は、存分に深愛の花嫁姿を堪能させてもらうよ。」
深愛「うん❗」
話しの区切りがついたのを見計らったように、ヤヨイが夜の11時を回ったと知らせ、全員が明日に備えて休む事にし、ヤヨイが家族以外の人達をそれぞれの部屋に案内し、眠りについた。
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