第一話

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確かにあたしの家は昔からビンボーで 欲しいものがあってもねだれなかった 世間一般的には 不幸だったかもしれない だけど… それでもあたしは幸せだった 大好きなママと、大好きなパパと 少しだけだけどおいしいご飯を食べて 楽しくお話をする それだけで幸せだった なのに。 『火事だって…二人とも逃げられなかったみたいよ』 『学校行ってた娘さん、一人だけ助かったんだって…』 『気の毒ねぇ…あの家借金あったんでしょ?』 『そうよ! ヤクザが取り立て来てるの何回も見たもの』 『娘さん、これから1人でどうするのかしらねぇ かわいそうに…』 そう思うなら誰か… あたしを…皆瀬 あずさを 助けてください
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