いやー、はっは。モテる男は辛いねえ。

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全国の少年、中年、その他諸々の男性諸君おはよう。桐谷修二だ。 「待って下さいー!」 僕は今、美少女に追い掛けられてるんだ。どーだうらやましいか男性諸君。 「止まって下さいー!」 さて話は変わるが、聡明なる男性諸君。君達は小説とかで主人公が美少女達に『〇〇君、一年と二年前から愛してるうぅぅぅ!』なんて言い寄られて、『頼むから俺の日常を返してくれ!』なんて台詞を吐くのを見て、少なからず殺意を覚えた事があるだろうか? 僕にはある。『ミカン百パーセント』の連載時には週一で秀英社にイタ電をしていた。『災難』の連載時には近所の本屋の週刊少年チャンプを買い占めて、見ずに燃やした事もあった。 「待って……」 そんな僕も現在進行形で、いわゆるリア充紛い体験をしている。 後ろを振り返ると、上下左右縦横無尽天衣無縫に暴れている二匹のマルマイン、栗色のこれでもかってぐらい伸びたロングヘアー、芳醇な香と程よい甘味を想起させる二つのデカメロン、あどけない少女のようなかわいらしい顔立ち、宇宙の始まりを思わせるようなビックバンバスト。 美少女だ。とても眩しい程の笑顔を浮かべて僕に迫ってくる。
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