90人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな美少女が僕に待ってと言っている。
いつもの僕なら間違いなく、動かざる事山の如しだろう。美少女が動いてと言うなら、動く事雷挺の如しだろう。出してと言うなら、侵略する事火の如しだろう。その後は静かなる事林の如しだろう。
しかし、しかしだ。今僕は走っている。全速力で走っている。主観的にも客観的にも、とにかく走っているという圧倒的事実。
恥ずかしい……? いや違う。僕は美少女が絡めば世間体なんてどうでもいい。美少女のお望みとあらば、授業中に十八禁の展開に突入するのに一片の躊躇いは無い。
実はホモ……? いや違う。そう思う奴は今までの話を聞いていなかったか、耳が悪いか、頭が悪いかのどれかだ。僕は断じてホモではない。
そんな僕が美少女である彼女から逃げている事実。これは極めてありえない事だ。学校の女子の制服がビキニになるくらいありえない事だ。だが……。
ちらっと後ろを確認するが、やはりありえない。朝っぱらから美少女がナイフ持って追いかけてくるなんてありえない。
最初のコメントを投稿しよう!