4人が本棚に入れています
本棚に追加
荒れ狂う火の海の中で、2つの影が揺らめいている。
元は美しい花畑だったが、今ではその面影もなくなってしまっている。
「ハァ…ハァ…フッ…アンタも…これで…終わりよ!!」
赤い球が飛ぶ。
1つの影が──いや、1人の少女が、肩で呼吸をしながら大きな声で言った。
「はっ!そんなこと…ハァ…させるかってんだ!!」
赤い球を美しく輝く純白と勇ましく不敵に輝く漆黒の双剣で弾く、もう1つの影──対する少年も、負けじと言い返す。
少女は、15~6歳だろうか。
深紅の髪に、夕焼けのようなオレンジの瞳。
幼さが残っているものの、その美貌は人を惹き付ける何かがある。
対する少年も、少女と同じく15~6歳だろう。
そして、さらに同じような深紅の髪に、夕焼けのようなオレンジの瞳。
とてもそっくりな二人。
最初のコメントを投稿しよう!