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~405号室~
「あ~あ、怒られちゃったぞ。」
「しかたないッス、鞭がとんでこなかっただけでもましッスよ。」
ぼく達は、狩魔検事に怒られてしまったので今は布団にもぐって静かにしている。 御剣だけがベランダ側のイスに座り月明りで本を読んでいた。
ぼくが
「目、悪くなるぞ?」
と注意すると
「ムッ、今面白いところなのだ。」
本から目を離さずに言った。 なにを読んでいるか気になるな。
「なぁ! こうやって布団にもぐってるとさ! ここだけの話ってのをしたくならねぇか?」
「お前だけだろ。」
イトノコさんは……
「……………」
すでに眠っていた。
「なんか面白い話ねぇのか?」
矢張がぼくを見つめて言ってきた。
「なにもないよ。 ぼくのあつかってきた事件ぐらいかな。」
「つまんねぇな。」
と言って矢張は
「なぁ、御剣はなんかないのか?」
と御剣に聞く、すると見下すような目で矢張を見ながら
「グロテスクな話ならできるが?」
さらっと言った。
「そ、それは遠慮しとくぜ……。 トイレにいけなくなっちまう。」
矢張はびびってるようだ。 御剣は少し残念そうに
「そうか……」
とまた本を読み始めた。
いつのまにか矢張も寝ていて、起きているのはぼくと御剣になっていた。
「御剣、明日はどこかにいくのか?」
本を見たまま
「明日はバーベキューをするつもりだが。」
「バーベキューねぇ。」
よくそんなお金があるよなぁとぼくは感心していた。
「嫌か?」
御剣がぼくのほうを見ながら言った。
「いや、楽しい一日になりそうだな。」
「ふっ、そうだな。」
と少し皮肉っぽく御剣が答えた。
はちゃめちゃで楽しい一日になることを予想しているのだろうか。
「ぼくはそろそろ寝るよ。」
「ああ。」
御剣も本をパタンと閉じて布団に入ってきた。
「じゃあおやすみ。」
そう言ってぼくは布団にもぐった。 今日は疲れていたのか、すぐ眠ることができた。
ただ……
矢張とイトノコさんの寝相が悪く、ぼくや御剣はたびたび夜中に起こされるはめになった。
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