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御剣は以前“人を疑うのが検事の仕事だ”と言っていた。 ぼくは弁護士で“人を信じる”側だ。 誰も信用できない毎日を御剣は送っているのかと思うと、溜め息の理由もわかる。 毎日たえない凶悪な犯罪や事件を相手に御剣はいつも一人で戦っているのだ。 ぼくは御剣の顔を見ながらそんなことを思っていた。
成「いつか……」
御剣がぼくのほうを見てきた。
成「いつか、今度はぼくが御剣を誘ってやるよ!」
ぼくは笑いながら御剣の顔を見て言った。
成「だからさ、それまで待ってろよな!」
すると御剣はフッと笑って
御「楽しみにしている。」
とぼくを見ながら微笑んでいた。
そのときはあいつも誘うか。 久しぶりに三人でね。
二人で川を見ながらじっとしていると、いつの間にかイトノコさんが川にきていた。
成「ぼく達も遊ぶか?」
御「私は遠慮しておく。」
成「そう。」
ぼくは真宵ちゃん達のほうに行った。
真「あ、なるほどくん! 今ね、魚がいたの!」
真宵ちゃんが川とにらめっこしながら指を指した。
真「ほら!」
確かによく見ると小さい魚がたくさん泳いでいる。 だが、動きが早すぎてとても掴めそうにない。
糸「そんなときはこれッス!」
と言ってイトノコさんはビニール袋をだして川に沈ませながら魚をとろうとしていた。
真「そっちに追い込みますよ―!」
糸「オッケーッス!」
すると真宵ちゃんはその場で足をばたつかせた。 ぼくに水しぶきがとんできて冷たかった。
真「どうですか?」
糸「とりゃあ!」
イトノコさんが勢いよくビニール袋を引っ張りあげると、袋は水圧に耐えられなかったのか穴があきドバーっと水は川に戻った。
糸「あれ? 失敗したッス。」
皆で大笑いした。
糸「そろそろお腹すいたッスね!」
真「そうですね!」
ぼくたちは魚とりをあきらめて川からあがって服を乾かしていた。
御「そろそろするか。」
成「そうだね。」
時計を見るともう12時だ。 ちょうど良い具合にお腹もすいてきた。
そういえば、狩魔検事と矢張の姿が見えないがどこに行っているのだろうか? まぁ、矢張は別にどうでもいいが。
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