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私、佐河光(サガワ ヒカリ)は兄の治める国『弐野(ニノ)』で、平和な暮しを送っていた…。
…しかしそれは、ある日を境に大きく変わってしまった…。
暗い部屋にロウソクの火の光りが揺れる。
その部屋で私と兄・義成(ヨシナリ)は向かい合って座ってお茶を飲んでいる。
兄様はいつもと変わらない穏やかで優しい顔。
けど、いつもと違ってお茶ばかり見ている。
私とは目を合わせようとはしない。
「兄様、どうしたの?私に話って…。」
沈黙に耐え兼ねて、つい言ってしまった。
「んっ?…今日は光に大切な話があるんだ…。」
そう言われて部屋に来たのだから、その返事が返って来る事はわかっていた。
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